記帳作業を楽しくできるか

こんにちは。税理士の多田です。

年末が近づいてきて、「そろそろ資料整理や記帳をしていかないと」と考えはじめる事業主様もいらっしゃるのではないでしょうか。多くの方が憂鬱だと思っている作業ですが、何とか楽しくやりたいものです。

・記帳のしかた                                                                                    だいたい以下のようなパターンだと思います。                                                                   ①売上帳のみ作成                                                                                 ②会計ソフトに入力                                                                                  ③確定申告時に集計のみ                                                                            ④税理士に丸投げ

・負担感を減らすには                                                                              こんな方法が考えられます。                                                                            ①手書きのものをエクセルや会計ソフトに変えてみる                                                               ②年に一度の集計を、できれば毎月集計に変えてみる                                                               ③毎月の資料整理だけをし、記帳は税理士に任せる                                                                最初は大変なところもありますが、慣れればこっちのものです。

・帳簿とは                                                                                一つ一つの取引を積み重ねることで、その月やその年の事業の姿(帳簿)ができあがります。それにより、事業の実態を知ることができます。いわば成績表のようなものです。良い時でも悪い時でも、それを見て今後の判断をする大切なものです。そして、自身で作り上げたものは大切にします。

事業の実態は毎月把握しておくのがベストです。なので、記帳は月単位ですることをお勧めします。記帳のやり方がわからない、会計ソフトの使い方がわからない、簿記の内容がわからないなどの場合は、お気軽に税理士にご相談ください。なんなりとお教えします。

記帳の目的は、税務署に申告するためでも税金を計算するためでもありません。ご自身のためにするものです。しっかり自身の成績表をつくり、経営に活かしていきましょう。そして、同じつくるなら楽しんでやりましょう。

個人事業主の法人化

こんにちは。税理士の多田です。

個人事業で始めた商売がだんだん大きくなると、「そろそろ法人に」と考える事業主様も多いのではないでしょうか?個人事業から法人にしようと考えても、いつすればいい?法人にするメリットは?税金は?など疑問はたくさん出てくると思います。

・法人化のタイミング                                                                             個人事業での利益が500万円~700万円以上あれば、法人化を検討してもいいかと思います。ただし、それぞれの事業の状況も違うので利益だけで判断することはできません。税理士等の専門家に相談し、シミュレーションをすることをお勧めします。

・法人化のメリット                                                                              メリットは何といっても税金が安くなる節税効果です。                                                              ①利益が多くなるほど、所得税よりも法人税のほうが税率が低くなります。                                                     ②会社から自身(社長)に給料を出せます。                                                                   ③個人事業では経費にできないさまざまなもの(家賃や保険など)を経費にできます。                                                ④社会保険に強制加入となりますが半額は経費にでき、求人の応募もきやすくなります。                                               ⑤要件をみたせば最初の2年間は消費税が免除になります。                                                             ⑥ネームバリューが上がり、信用度がアップします。 など

・法人化のデメリット                                                                             税金は安くなりますが、社会保険への加入等により、出ていくお金は逆に増える可能性があります。                                            ①社会保険への強制加入(ただし、将来もらえる年金が増加するとしたら良い部分もあります)                                            ②会社設立費用が生じます(約30万円)                                                                     ③会計処理等の事務負担が増えます。                                                                      ④税務調査が定期的に必ずきます。                                                                       ⑤赤字でも最低限の住民税がかかります。 など

特に従業員さんを雇っている場合には、出ていくお金がどのくらい増えるのかも十分考えて法人化をすべきです。福利厚生や税金も含めてお金がいくら出ていくか、いくら残せるか、いくら残したいかを検討して法人化をすすめていきましょう。

freee認定アドバイザー

こんにちは。税理士の多田です。

先日、freeeの認定アドバイザーになりました。クラウド会計ソフトの「freee」。最近何かと話題になっているので取り入れてみました。

・作業の大部分が自動化                                                                                                  「簿記の知識が不要な会計ソフト」というキャッチコピーで、経理初心者でも簡単に使えるというのを売りにしています。freeeと連携させることで銀行やクレジットカードの取引が自動で取り込まれ、勘定科目もある程度予測してくれます。

・実際に使ってみて                                                                                       現在使っている会計ソフトをfreeeにかえると、すこし使いにくいかも。効率化だけを考え、本来の会計の考え方を無視している感じは多少ありますが、コツをつかめばおもしろいかもしれません。うまく使えば単純作業の効率化には役に立つと思います。ちなみに「簿記の知識は不要」とありますが、実際はある程度必要です。

・経理業務に影響は?                                                                               クラウド会計ソフトの登場で、記帳をはじめとした経理の仕事は大きく変わると思います。ただし、自動化が進んでも最後は人の目で見ることが必要ですので、自動化に期待しすぎるのは危険です。自動仕訳を確認しながら手直ししていくのなら、素早く入力していった方が早いという考えもあるでしょう。あくまでも単純作業の時間を減らす手段の一つとして使えるものです。

税理士にとっても、「クラウド会計ソフトは、記帳代行の仕事を奪うもの」といわれています。しかし、税理士の本領は人と人とのつながりの部分、人間臭い部分の仕事にあると思っています。私の場合だと、融資・事業計画の支援です。なので、脅威というよりは仲良くしていけるものだと感じています。事務作業の効率化はどんな業種でも大事なことなので、導入を検討してみる価値はあると思います。